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マメ知識

 

「湿潤療法(モイストヒーリング)」とは

すり傷、切り傷は子供にとって日常茶飯事。ケガの手当ては学校保健室の重要な役割の一つであると思います。
近年ケガの手当ての方法として「湿潤療法(モイストヒーリング)」とか「閉鎖療法」という言葉を耳にするようになりました。従来の手当ての方法は、消毒しガーゼで保護する「乾かして治す」方法が主でした。ところが、実は乾かすよりも湿った状態にしておいた方が早く治るという研究結果が出されており、医療現場ではこの「湿った状態を保つ治療方法」=湿潤療法が一般的になりつつあるようです。

湿潤療法には下記のようなメリットがあると言われています。

●早く治る
細胞の再生を促す働きのある滲出液を保持して傷に潤いを保つ事で早く治る。
●きれいに治る
傷あとの原因となるかさぶたをつくらずに傷を治すので、表皮の形成がスムーズに行われきれいに治る。
●感染の心配が少ない
傷を覆い密閉環境にしておくことで、外部からの異物やバイ菌の侵入が防げ、感染を抑えられる。
●痛みをやわらげる
痛みの原因となる炎症を抑えることができ、乾燥による表皮細胞の死滅を防げるので、神経への刺激、痛みが少なくなる。

最近では医療用だけでなく一般家庭向けにも、この湿潤療法を利用した絆創膏が販売されて話題を呼んでおり、今後は一般的になっていくものと思われます。

湿潤療法を利用した絆創膏の機能図