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AEDとは?
「AED」とは“Automated External Defibrillator”の頭文字をとったもので「自動体外式除細動器」とも呼ばれており、日本では平成16年7月から一般市民によるAED使用が認められて以来、公共施設を始め各自治体や学校等で年々加速度的に整備されています。
一般に「心臓麻痺」と呼ばれていた心停止の多くは、最初の段階では「心室細動」という心臓が痙攣を起こした状態から始まっています。心室細動を起こすと、心臓は血液を循環させるポンプの働きができなくなります。血液の循環がなくなると、4分以内に脳に障害が発生します。同時に、心臓自体も回復不能な状態に陥っていきます。心室細動を起こしてから除細動(心室細動を取り除くこと)を実施するまでの時間が1分遅れるごとに、社会復帰率は7~10%低下すると言われています(下図参照)。
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呼吸停止・心停止した傷病者には、心肺蘇生(人工呼吸と心臓マッサージ)が必要です。しかし、心肺蘇生だけでは心室細動を起こしている心臓を正常に戻すことは困難です。現在、心室細動に対して最も有効なのが、電気ショックによる除細動です。
日本で病院外の心停止発生件数は、年間2~3万人と推定されています(※1)。
また、救急車が現場に到着するまでには約5~6分(全国平均)かかるといわれています。その場に居合わせた人々が如何に対応できるかで、救命率は大きく左右されます。AEDを用いて除細動を行う一般市民が増えれば、心停止から除細動実施までの時間を短縮でき、多くの心停止傷病者が除細動の恩恵を享受できることになります。
「救命の連鎖」とは「迅速な通報」「迅速な心肺蘇生」「迅速な除細動」「二次救命処置」の四つの輪のことで、二次救命処置開始までの時間が短いほど救命率は高くなり、逆に「救命の連鎖」のどれひとつが欠けても救命率の向上は望めません。
※1 : 非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用あり方検討会報告書より
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ガイドラインとは?
ガイドラインとは「指針」のことで、救急法における最初の指針は2000年に発表された「ガイドライン2000」でした。それまで、世界各国・各病院施設などで独自に行われていた心肺蘇生法が初めて標準化され、世界統一基準として決まりました。日本においても、そのガイドラインを参考にしつつ日本の実情を加味した内容で日本版救急蘇生法ガイドラインが策定されました。 |
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ガイドライン2005
今年、5年振りに見直された内容が「ガイドライン2005」です。今回のガイドラインの基本的な考え方として、
- 効果的な救急蘇生を行うには、できるだけ早期から十分な強さと十分な回数の心臓マッサージが絶え間なく行われること
- 心臓マッサージの効果を上げるために、心肺蘇生法開始の判断と手順、人工呼吸の吹き込み時間、心臓マッサージと人工呼吸の比率、AEDによる連続ショック回数、ショック後の対応などが変更
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具体的には、心臓マッサージと人工呼吸の割合が従来の15:2から30:2に変更され、吹き込みの時間も従来の2秒から1秒に短縮されたことから、心臓マッサージの重要性が強調されています。
また、これまで心肺停止者にAEDで電気ショックを与えても反応がない場合、3回まで連続して電気ショックを与えることができましたが、ガイドライン2005では、電気ショックを与えるのは1回だけで、電気ショック後に心電図解析を待たないですぐ心臓マッサージを再開するように変更されました。30:2のリズムで心臓マッサージと人工呼吸を2分間行った後、改めてAEDによる心電図の解析を行います(※)
従来はAEDを最優先させてきましたが、ガイドライン2005では、一番重要なのは心肺蘇生法であり、その中でも心臓マッサージが特に重要であるという認識に変わってきました。
※新ガイドラインの詳細については、日本救急医療財団心肺蘇生法委員会監修の市民向けのテキスト『改訂3版・救急蘇生法の指針』をご参照ください。
※救急法については、日赤や消防署等の指導機関での受講をお勧めします。
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