双眼実体顕微鏡とは虫、プランクトン、花粉、鉱物といった立体物を拡大するための顕微鏡です。倍率は20~40倍ほどで、生物顕微鏡よりも低倍率ですが、プレパラートを作成しなくても、立体物をそのままの形で観察することができます。透過照明が付いている機種ではプレパラートを観察することもできます。
双眼実体顕微鏡は、左右それぞれの接眼レンズを通して、プリズムを経由し、ターレット内の左右それぞれの対物レンズを通して試料を見ています。ターレット式の変倍の場合、ターレット内に2対の対物レンズが配置されていて、ターレットを回すことにより、対物レンズを変換しています。
●エレベータストッパー
双眼実体顕微鏡は、試料の大きさに合わせ、支柱のつまみを緩めて、鏡体自体を移動させて、固定してから粗動ハンドルでピントを合わせますが、このとき、支柱から鏡体が抜け落ちないようにする機構です。また、持ち運び時にも役立ちます。
●ブレーキ機構付き双眼実体顕微鏡は、鏡体が支柱につまみで固定されていますが、このつまみが緩んだ場合、鏡体が急に落下して、破損することを防止するために、鏡体の自重によって、ゆっくりと落ちる仕組みのことです。
双眼実体顕微鏡を使用しているとハンドルが勝手に動いて鏡体が最下段まで落ちてしまうようになることがあります。これは粗動ハンドルがゆるんできたために起こる現象です。粗動ハンドルの軸の片側に作動調節レバーが付いています。このレバーでハンドルの重さを調節して下さい。
一般的にはアクリル樹脂で作られており、通常表裏が白と黒になっていますので、試料の色などによっては、黒を表にして載せてみると試料が見やすくなることがあります。透過照明付の機種では、フロストガラスが付いていますので、透過観察に用います。